快適! 雪道走行 営業!

2008年2月のとある日 個タク村にはかなりの積雪がありました。

普通ならクロと雪原で夜どうし遊ぶ所ですが、この日は前日に積雪の予報で台数不足に伴う配車不能を懸念した東個協無線室から 出庫要請がありましたので、後ろ髪を引かれつつお仕事に出かけました。 時間は21時。早めに出て数回配車を受けて義理を果たし、凍結前には戦線離脱するのが私が描いたシナリオでございます。

車庫について驚きます。運行前点検なんて道路運送車両法にうたわれてますが、マイティアナは雪に埋もれてまして、それ以前の 問題でした。


下は前回の雪の日の画像!積雪は今回より少ないが、夜間アイスバーンで苦しみました。


ティアナを掘り起こし、念入りに暖気して動かし始めます。 路面はかなり積雪しておりましたが、 さすがはスタッドレスのデシタイヤ(意味はわかりませんが…)雪道をボコボコボココッとガンガン進みます。 数日前のブラックアイスバーン走行を思い出すと夢のような走破性でした。
何よりやっと一年間以上寝かせてたスタッドレスタイヤの活躍する場を得たことは至福極まる思いでございます。 とりあえず近所を走り回って走行性能の確認をしていよいよ進行開始します。


ボトボトとぼた雪が落ちてくる中、走りながら考えます。今日はいつもの営業スタイルは通じるのだろうか?と、 疑問を感じ情報収集(各情報機器や先発同業者報告)をはじめます。


情報収集の結果。
高速道路は通行止めが多いし、一般道も渋滞箇所が多い。
何より速度を上げての走行は困難である。
これでは都心から郊外への敏速な移動は難しいし、都心への再突入も難しい。

上記の結果、一般営業の封印を解除し、片っ端からお乗せする作戦を発動しました。すぐ「駅まで」と 言われて駅前(大泉学園)まで進行。タクシー乗り場は人が溢れており、すぐ実車で練馬まで。練馬でもすぐ実車で目白まで。 タクシーが少ないのか歩くのが嫌なのかポンポンとつながり、目白でも降ろした所で「いーですか?」と来られました。 「東京駅丸の内口まで」と言われて進行します。


進行中、業務連絡入電! ノーマルタイヤで出庫する人なんかいるのだろうか?



凄い実車率で限りなく100に近いまま東京駅着。疲れたのでそのまま丸の内のタクシー乗り場に並びます。道中、 気がついたのですが都心に近づく程、積雪がありません。 こんなにも同じ23区で違うものか?と思いますし、せっかく雪道を走りに出てきたのにつまりません。明治通りを越えると 雪と言うか雨に変わってしまいがっかりです。
雪のない都心ですから東京駅で屋根に雪を積んだタクシーは私のティアナ1台であり、その雪はでんでん虫の行灯を隠す 程積み上がってます。それに気がつくと同時にとても恥ずかしくなりました。 仕方なく並びながら屋根の雪下ろしを始めますが、その作業をジロジロ見られる事はもっと恥ずかしい気がしてしまい、 行灯回りをさっとやって中断して車内に戻ります。すると年輩のご夫婦が近づいて来られて「チケットなんでいーですか?」 と申されます。
見渡すとでんでん虫(東個協)は私だけでしたね。

実車のお客様は「川越までお願いします」
との事で経路を相談します。外環は通行止めで関越も多分ダメである旨を進言致しました所、 「お任せします」 と言われたので、通行可能な首都高5号線高島平まで行き、後は好き放題走らせて頂きました。 もちろん私の土地勘にはご満足は頂いております。

完了後は川越から川越街道を上って都心部へ向け回送走行です。下り側は英インター先からはかなり渋滞してましたが、上りは快適でしたね。戻って 一回配車受けたら帰車する予定でしたので急ぐ訳でもなくドライブ感覚です。この時点で進行経路上にある車庫へ帰庫しても 良かったのですが、今日は無線室の要請により出てきてる関係上、一回は配車を受けないと面目が立たない訳でございます。

地ベタ(一般道路)で川越往復ですからヨレヨレでしたが、なんとか都心部へたどり着きます。
九段から大妻通りを進み、新宿通りを越えた先左側のラーメン屋前でエリア登録をして車を止めます。ちなみに赤坂10台目でした。 「さ〜。さっさと配車受けて道路が凍りつく前にとっとと帰宅してクロと雪の中遊ぶぞ〜。あ〜疲れた〜。コーヒーを買おう」と車を 降りてラーメン屋さん横の自販機でコーヒーを買ってた所、反対側から走って来た四社の黒塗りさんが窓を開けて大きな声で話かけて きました。

「個人さん。この先にお客さんが待ってるよ」と言ってます。

親切心からでしょうが些か疲労しており、これからコーヒーを飲もうとしてる段階で行く気にはなれないものですし、1回配車を受け ないとこの日の主目的が達成できません。
(仕事に出るように無線室に頼まれて「出ます」と答えてるだけに…)
瞬時に「予約あるんでやめときます」と言い返すと笑いながら去って行かれました。
まぁ、いーか〜とコーヒーを飲みながら考えましたが、彼はなんで人に薦めといて自分はお乗せしなかっんだろう?と…。 四社さんはUターンしてまでは乗せないのかな?さすがはプライドの東京四社だなぁ〜等々を…。

ゆっくり飲み続けてるとこっちに向かって人が歩いて来ます。 空車タクシーがその人の方向へ次から次へ走って行っておりましたが全く手をあげる事もなく…。 つまり単なる歩行者かな?と思っておりましたが、遂に私の所までやって来て「運転手さん休憩中に悪いんだけどチケットで 東名高速青葉インターまで行っていただけませんか?」と乗車申し込みされました。
「どうぞ!」 ニコッとしながらここでやっと気づきます。あの四社の黒塗りさんが言ってたお客さんと言うのはこの方だ。 きっと東個協のチケットだからと断られたんだぁ〜。そしてわざわさでんでん虫の私に知らせに来てくれたんだと言う事を…。

今時、奇特な人だなぁ〜。と考えつつ発車させます。無線配車を1回受けようとしておりましたが、私は営利目的で個タク事業を 経営しておりますのでどーでも良かったです。私が何回もエリア登録してんのに配車しない方が悪いだ!っと自分に言い聞かせつつ…。

結局、青葉で高速を下りて「子供の国駅」付近で実車は完了しました。無線機の情報画面に目をやると、待機車は 十分満ち足りてますのでて凍結の懸念される時間よりかなり早く鶴川街道で山越えし、個タク村へ無事帰還致しました。一般営業の才能があるのではなかろうかと感じつつ…。(妄想です)

無線機外そうかな…。 賦課金高いし…。(笑)



2008.2.17


追記


最後の「こどもの国」まで実車のお客様。チケットでしたが東個協専門チケットではなく、他にもちょうちん、四社にチェッカー、 東無と使えるチケットでした。
なぜに歩いて来られてまで「でんでん虫」に乗られたかは分かりません。東京駅もですが、この日は二回の料金収受の瞬間に看板の 強さを感じましたね。

雪の日散歩時の黒ラブの「クロ」


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