幸か不幸か
FUGAラジエター損傷


7月10日は花の金曜日


きな臭い永田町と違い、

個タク村は清々しい夏日となって、正に洗車日よりだった。


と、言う事で自宅車庫のY50をY51と差し替え作業開始。


洗車をさっさと済ませ、前日から気になった箇所を確認する事にしました。


気になった点とは…


ラジエターのファンの音!
雨の中で気になった訳ですから、なんらかの異常があるのだろう。と、漠然には認識しましたが、その雨が故に仕事が忙しいだろうし、濡れるのが嫌だから確認作業を怠った。 ラジエター絡みだから、水温計や警告灯さえ気にしてればよいだろうし、水温計は平熱で安定していたので、ファンのモーターの経年劣化か何かで、特別な緊急性はないだろう。と、頭の中で安易に処理しました。


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雨だから忙しいだろう。

との楽観的予想も確認作業を怠る要因ではありましたが、 楽観的予想に反し、いつもなら30分程度で配車になる中央区某所でのピンポイント無線待機は空振りに終わった… ( ̄○ ̄;)


とんでもなく珍しい



この辺でラジエターのファンの音が相当気になりだしましたが、
心を入れ替え、一般営業に切り替えソコソコ巻き返しに専念することにします。


しかし、何故か高速に上がれない。


トロトロと、一般道を走るのみ


とんでもなく珍しい


このままでは巻き返しは不可能と判断し、下道で行ったお送り先から首都高代を投入し、向かった先は

某無線待機場(秘匿)


ここで起死回生をはかる事にしました。

前日は10分位で配車され、2万円ほどご利用頂けましたが、
この日は待ちに待ちました。


この時点で相当厳しい1日だと確定しましたが、
「まぁ。こーゆー日もある。」と、 納得し、さらに待つ事数十分。


  奇跡的に配車になります。



起死回生なるか?


いや… こうなると無理だろう。  統計的に、、、

と、覚悟して進行しました所、案の定、前日の10分の1


まぁー。今日みたいな日は無事に帰れればいーや。

と切り替え、丁重にお客様をお送りし、遂に「投了」とします。


行き先が個タク村までの撤収ルート上だったので、そのまま引きます。

一晩の印象として、距離を走らないように見えない力に支配されてたような気がしました。
これ以上の無駄な燃料消費を抑える意味でも、
エコノミーモードで、最短コースで敗走しました。



帰庫完了時の処理中


ふと水温計に目をやると平熱より高い。

半分よりやや上を指していた。


ドキっとして、とりあえずエンジン停止するも、外は真っ暗だし、
なんらかの原因を突き止める事ができたとしても真っ暗闇で出来る事は何もない。


停止した以上、今より悪くなる事もないだろうし、警告灯も光ってない。

何より何もやる気にならない精神状態だったので、起床してから精査する事にし、 フーガからヨロヨロ降りて帰宅。

クロちゃんに癒やされ、作業計画を考えながら寝た。
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話を冒頭に戻し


洗車日和の金曜日の昼下がりの起床後、
直ちに作業に入り、気になった箇所を確認する事にしました。


結果を無意識に先送りする為か、
洗車からはじめましたが、意を決して着手 。


ボンネットを開け、ラジエター冷却水タンクを見たら即座に解答を得ました。


タンクが完全に空っぽ。


運行前点検で問題がなかった事から明らかに異常事態であり、
いずこから大量に流出している可能性が高い事を意味します。


流出の結果、冷却水の不足により、エンジン温度が上昇したのだろう。


それを抑える為にラジエターファンはフル稼働していたのだ。


フル稼働だからファンはダブルで回り、いつものシングルより音が大きく感じたのだ。 と、確信しました。


問題はどの程度の水漏れか?また流出箇所は?


取り急ぎラジエターキャップを開けて注水開始。


そしたら入る入る。(汗)


注水量が1リットルを超えた時点で、「重症」と判断。


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我が家の生活の糧であるフーガの用件は全てに優先する。
金曜日の予定を全てキャンセルし、
日産ディーラーまで大至急進行する事にした。

取り急ぎラジエターの冷却水は満タンに注水。


念の為、道すがら必要に応じて補水できるよう、

予備の冷却水を4リットル用意し、万全を期す。

走りながら整理した。

冷却水の全てが抜けきらず、ある程度は残量があった。

完全に抜けきると、異常高温により、樹脂やパッキンは焼け焦げ、原発で言うメルトダウン状態となり、
エンジンはお釈迦になっていただろう。


抜けきらなかった事から流出部位はラジエター中央より、やや上くらいか?

近い未来にディーラーで教えてもらえる答えを予測しても何にもならないが、
ディーラーまでの数キロ程度を走り抜けれる根拠を欲したのだった。


そしてラジエター本体からではなく、
ホースやパッキン関係からの漏れを切望しながら進行しました。(安いから)

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無事   ディーラーへ入庫




立ち会って確認した。


確認方法はこれ
ラジエターキャップを外し、そこにポンプを取り付け、水路に圧力をかけ、
漏れ出すかを目視する実にシンプルな判定方法。

加圧した結果、直ぐに判明



向かってラジエター左側の樹脂部中央やや上部よりポタポタ流出した。

明らかにラジエターは要交換だ。


その場で部品を発注し、丸投げする事にしました。


費用は10万ちょい程度

Y51の社外ラジエターは無いそうなので、
純正パーツを使うから妥当な金額なのだろう。


フーガはそのまま入院するので自宅までは日産の軽で送って頂きました。


その帰路考えた。

乗ってる軽自動車の名前ではない。


前日からの一連の流れをだ。

前日の異常と言える程、仕事はさっぱりだった。

所謂、不運でついてない日だろう。 特別に!


昨夜はそんな気持ちでおりましたが



それは違うのではなかろうか?

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実は幸運だった。



とにかく走りたくても走れない夜だった。


そこが幸運だったのだ。


また、最近の数日間、ずーっと雨でうんざりしていたが、
雨のお蔭でたいへん涼しい気候だった。


ラジエターやシリンダーには冷たい空気が流れ込み、空冷効果が少なからずあったに違いないし、グリル隙間から進入する雨もボンネット内での気化熱効果により、少なからず熱を奪ったに違いない。



また、無線待機中はエンジン停止でも涼しく過ごせた。

何より遠くへ行けなかった事は幸いした。

もし、最後の無線が横須賀だったらどうか?


長距離走行ではラジエターの水が完全に空っぽになるか、少ない冷却水では放熱が追いつかず、エンジンが停止した可能性は極めて高い。 エンジン自体がお釈迦になっていただろうから、<お客様も大迷惑だ。


横須賀からのレッカー代も大変だろうし、
BR> 予備役のY50の現役復帰もあったかもしれない。



ラジエター交換
我々の業界ではラジエターは消耗品


いつかは交換する物で、タイヤ交換と頻度は違うも、同じ事。

なんら特別な事ではない。

問題は時期とタイミングだけで、今回は涼しい時期に適切なタイミングで発症した。

見えない何かの力を感じた程、大変幸運な壊れ方だった。


なんて思ったものの、帰宅して以前TEANA時代に起こったラジエター損傷!
記事を見て愕然とした。

参考過去記事
TEANAラジエター損傷!2012 (秋の整備週間)



ハナから同じ症状だからだ。 それなのに気がつかなかった自分に対し、
正直、呆れた。


初期段階で予兆が出ていたので、とっとと気が付いて帰るべきでした。

大変なリスクの中、博打で遊んでいた事になる。

そして修理金額が倍のディラーへは行かず、あの時と同じ工場へ行くべきだった。



音で予兆を察知できたにも関わらず、気がつかなかった事は痛恨の極み。

水温計をあてにした事。上がってからでは遅い事。

総合的に幸運だったとは言え、反省点は多々残る。

幸か不幸か連休中、、、、、



歴史は忘れた頃に繰り返す。

先の大戦を忘れまい。

2015.7.12
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