TOYOTA プリウス
でんでん虫仕様 !

先の陥落政府発案のエコカー補助制度のお陰で爆発的に増えると思われるトヨタプリウス。需要先取りとも思えますが、都内の個人タクシーでも増えてまいりました。



補助制度が終焉を向かえてからの売れ行きを心配しつつ、ご同業にプリウスを撮影させて頂きました。
納車後、間がないのでとても綺麗で傷一つない感じの3代目ZVW30プリウス。
見るからにコンパクト。 狭い路地でも楽に扱えそうです。
初代NHW10は直四1.5リットル76psでしたが、3代目ZVW30は直四1.8リットル99ps(5200rpm)と 随分とたくましくなりました。(モーター走行 3jm型 /82ps)

いくらたくましくなってもアイドリング音は当然なしで低速走行もめちゃくちゃ静かです。

ただ、この静粛性。
私的には危険だと思います。 走行音(エンジン、タイヤノイズ等)を頼りに車の存在を知ろうとする歩行者は多いはず。 歩行者の飛び出し等の遭遇確立が上昇するのは間違いないですね。はっきり言って運転する方も恐い位で、しっかりとした安全目視確認を必要とします。
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グリルにあるトヨタエンブレム クラウンハイブリッド同様、何故か青みがかってます。ハイブリッドの証しか…?

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エンジンルーム
直列四発だけではないので結構びっしりな印象

冷却水のリザーブタンクが2つあるのには驚きました。まぁ〜動力が2系統ですからね…。

  

つまり冷却機関が2つあると言う事でしょうか。1台で化石燃料自動車と電気自動車の2役を演じるのだなぁーと エンジンルームを見る事で改めて実感致します。

高速道路とかだと電気自動車役の事などすっかり忘れ、昔ながらのレシプロエンジンをぶん回しての走行となり、 四発のシリンダーはガソリンを吸いまくりつつ排気量相応のガスを排出します。
クリーンな電気自動車役を演じるのは停車時や低速時でのみでありますから、プリウスを効果的に運用させるには勤務体型が大きく 作用する事になります。
 高速ばかりを利用する深夜宅送スタイルでのタクシー営業は割高(同排気量車比)なハイブリッド車の持ち味をフルに使いきる事は難しいでしょう。 プリウスの真価の発揮を目指すなら、渋滞が激しい昼間の都心部営業での活用が最も望ましいのだと思います。
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オイル交換が1.5万キロで1回と言うのは信じがたいですが、その旨を説明するシールが貼ってました。

ハンドル周り
いかにもトヨタっぽい仕上がりですが、訳の分らないスイッチ多数。

メーターはセンター部  (デジパネ?)

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リアシート
外観の見た目からの想像以上に広い





ヘッドライト
1型マークXのヘッドライトからフォグだけ抜いたような感じです。
たぶん中身は同じかも。。。。

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タイヤサイズは15インチ (185/55R15)
  

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ティアナとトップ側面比較



リアビュー比較

果たしてプリウスとはタクシーに向いてるのでしょうか?

漠然と好燃費である事や環境に良いイメージはあるものの実は何も知らなかったりしております。
どうしても燃費だけを考えてしまいますが、私はメーカー発表の燃費などを鼻からあてにはしてはないものの、 話半分としてもハイブリッド車ですからアイドリングストップや低速時は電車と同様、モーター走行ですからね。 燃費が優れてるのは間違いないのでしょう。
プリウスオーナーから話を聞くと対運収.燃料比は概ね5パーセントとの事。
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対運収.燃料比
売上高に占める燃料費の割合 (例) 月間100万円を売り上げてその月の燃料代が5万円なら対運収.燃料比は5パーセントとなります。
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ティアナの場合は約10パーセントですから5パーセントまで引き下げれれば対運収.燃料比が半減すると言えます。 同じ営業スタイルで比較しないと全く意味はありませんが、半減達成が可能なら魅力的な数字だとは思います。

とは言え直4の1800CCですからね。ハイブリッド車でなくてもそこそこ好燃費な車が多いクラスです。
そのクラスで突出して燃費が良くないとプリウスを選ぶ意味はないかもしれません。
なぜならハイブリッド車は 複雑なメカニズムであるが為に車体本体価格が割高になってしまいます。一般の1800CC車との間に 大きな車体価格差が生じてしまいますので、この価格差を燃費だけの差額で詰める事は30万キロ以上の相当な 走行距離を必要とするような気がしております。そうなると過走行運用の代表格であるタクシーとしての使用こそが 最も理想的な運用方法かもしれません。 定期的に交換する1個10万円以上の燃料電池代も燃費に含めて処理したいですからね。
商売道具ですからどーしても燃費に目にいってしまいますが、プリウス最大の魅力はなんと言っても地球に優しい事。 燃費の事だけを考える方が「さもしい」のかもしれません。

実態はどうであれ、プリウスを保有する法人タクシー各社がこぞってプリウス保有をPRできる事こそが最大の保有目的で あるような気もしない訳ではありませんが、結果として地球に優しい環境対策車の普及に貢献してる訳で、本物の環境保全主義者と エセ環境保全主義者との垣根はございません。
企業が自社のイメージアップを狙うのは当たり前の活動です。 我々個タ業界もプリウスを購入された志の高い事業者の皆様の行動をさらに高い次元に移行させるべく、 遅らばせながらも環境対策車の増車に合わせたエコ活動に取り組む姿を広く知らしめる努力を行って頂きたいと思います。 見透かされない範囲内で…。^^;


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2009.11.20