運賃改定の日!
 東京タクシー値上げ!

12月3日。 行って参りました。
運賃改定対応メーターへの改造へ。


初日は大混雑で二時間待ち位は普通みたいでしたが、今日はどうなんだろう〜。と
不安な気持ちの中、昼間の都心へ進行を開始します。

当日の昼間出撃作戦目標は以下のとうり。

主目的はメーター改造。
副目的は組合で某報告書提出とチケット換金。

換金後に都心部を離脱後、速やかに個タク村まで帰還し、クロの散歩を実施する事が最終目的。

※ 画像は美しい銀杏の紅葉に霞む国会正面

作戦実施要項

早朝の9時半に出発。目標到達時間を90分とする。(努力目標)
極力回送進行し、不要な営業(一般/無線問わず)を行わず
午前の部の予約時間内到達を最優先課題とする事。

メーター改造後は組合の換金締めきり時間までに遅滞なく進行する事。
(時間的に余裕がある場合に限り営業を行いながらの進行を可能とする)

上記2点完了後はクロの散歩に支障が出ないように帰還する事。
営業を行う可能性があるので相応の服装をする事。


この改造会場はなぜか港区海岸。無意味に遠いです。個タク村からは都心を突破しなければ到達しません。午前に予約を入れてますので 朝の通勤ラッシュの余韻が残る中、出撃しました。

気が遠くなる程、道は流れてないので回送進行は止めて乗客が居れば拾いながら行く事にします。
営業もあり得るとの判断で相応の服装での進行は正解でした。 流れが悪いと燃費もガタ落ちとなりますので、せめてガソリン代の回収をが目的となります。
はっきり言って道連れですが、小雨でしたのでポンポンと繋がり目的地着までにポケットへ9千円程入ってました。(二時間程ですが…)

画像は進行途中の銀杏の紅葉!(永田町で撮影)


この一般営業進行は逆へ行かされるリスクを伴いますが、今回は全て進行方向へのご実車でした。(感謝) 無線配車だと四方八方どこへ行かされるか分りませんので、全て無視致しました。

締めきり30分程前に無事到着します。


現地ではある程度の混雑を予想しておりましたが、
驚きました〜。ガラガラです。係員の「おいでおいで」の合図で即入構が可能でした。
作業は実に簡単で端末機をメーターに差し込み「ピッピッ」で完了です。

「これで作業費2万円はボロ儲けだなぁ〜」と殿様商売に憧れつつ改造会場を後にします。

次の目標は中野区にある組合へ行きチケットを換金する事ですが、せっかくメーターも改造した事だし、試してみたくなるのが人情です。 次に無線が出たら応答してみようと心に決めて走行していたら25分先の先着配車で霞ヶ関の国土交通省(以下、国交)が出たので、 躊躇なく応答します。

そして「配車」 緊張の中、迎車ボタンを押しました所、「300円」と表示されました。
「おぉ〜。すっ凄い!」 今までは0円表示だっただけにこれは凄い事です。 今回の運賃改定で初乗り運賃は710円となりましたので、予約や無線専門の当方と致しましては300円が毎回加算される運びとなり、 実質的な初乗り運賃は1010円と相成りました。(祝)


たかが300円ですが、されど300円です。  改定前と迎車料だけを比較した場合。
改定前   迎車料0円。 つまり何回営業しても0円。
改定後   迎車料金300円(1回)
1日の平均営業回数が5回の場合、迎車料だけで1日1500円の増収となります。 出番を20とした場合1500×20で30000円が毎月の増収であり、年間だと36万円の増収となり、 この迎車料金だけで当面の原油高騰危機感を払拭できそうです。

上記を考え、ニマニマしながら国交へ進行を開始します。


ここで不都合な点に気がつきました。私のTEANAのタクシーメーターは運改仕様メーターへ切り替えてますが、 車外の運賃表示等は全て旧料金の650円仕様だと言う事を…。
「まずい」とは思いましたが、さらにまずいのが、配車先がよりによって運賃の改定を認可した国交です。 配車進行中だけにどうしようもありませんが、この場合の考えられる対応は!

潔く配車解除申請する。
シールを張り替える。

この2点以外は選択肢はございません。

幸い時間に余裕のある先着配車だったので13分程作業時間を確保できると判断し、即座に公園へ横付けして取急ぎ張り替えました〜。  かなり慌てて…。 650円以外にも連動したシール類は存在しますし、何より張るのは訳ないのですが、剥ぐのが大変です。気温の低いこの時期です。通常なら熱湯かドライヤー等を 使いながらゆっくり剥ぎたい所でございます。しかし時間がありません。爪だけで剥ぎました。爪が割れる程の勢いで…。

かなり雑な作業でしたので後日全て張り替える状態ではありましたが、なんとか仕上げて予定時間ぴったりに国交へ現着致しました。

「さぁ さっと消化して換金に行くぞ」と一方的に考えてましたが、3人乗られてきたお客様は

「羽田空港D滑走路展望台まで」と おっしゃりました。


「?」

「分らんなぁ〜。D滑走路って何?」「まぁ展望台と名がつくのであれば看板かなんかあるだろう」と早い話、全然分からないまま 「わかりました〜」と進行します。
それより気掛かりなのが、羽田空港は個タク村から限りなく離れてしまい、(東京の端から端)組合からも相当離れてしまいます。 最終目標のクロの散歩への影響が懸念されましたし、道路事情が悪化すれば本日の換金締め切り時間にも間に合わない可能性を感じました。 とにかく当面の課題である「羽田空港D滑走路展望台まで」への進行に全集中力を結集し、進行する事に切り替えます。

首都高速環状線離脱までの渋滞の間、悩みに悩みましたが「羽田空港D滑走路展望台」なんか知りません。「知らないのに行けるのだろうか?」 とあまりに素朴な疑問に自問自答しつつ一応の結論に達します。

羽田の地理は個タク試験時に勉強したので相応に把握している。
分らないのは最近、D滑走路が増設された可能性が高い。 と…
したがって、行けばなんらかの看板や標識との遭遇に期待できる。


お客様は胸を張って「羽田空港D滑走路展望台まで」と申し込まれた訳だから展望台に関しては完成された物と判断するのが自然であり、 さらに有力な手がかりとして「展望台は一般にも解放されてるから運転手さんも休みの日にでも行かれては?」とお客様は申された。 つまり「確実に完成された建造物」なのは間違いない。
万一、D滑走路も展望台もまだ建造中であったとしても羽田入構後は知らない方向へと進行すれば自然と導かれていくはずである。 と全く根拠のない結論へ達し、羽田へ入構!  


目を皿のようにして入構し、関連する標識等を探しましたが、一切の欲しい情報はなく、正に闇雲進行となりました。 このような場合、有効な手探り進行方法は消去法です。道が別れる都度、あの道を行けばあの場所へ出るがその周辺に滑走路の増設が可能か どうか?と、イメージしながら進行し、イメージできない方角こそに正解がある確率が高くなります。
同時に最大4沢の消去法を迫られつつ。どんどん人気のない所へ進み続けたらありました。
「羽田空港D滑走路展望台」の看板が! ちなみに段ボール紙にマジックで書かれておりました。

その先に進むとありました。 「羽田空港D滑走路展望台」
以下がその施設全景でございます。


感想としては「こんなプレハブの事なんか誰も知らんだろう。普通…」 「今日のお客様は明らかにお国の視察だが、一般の方で、もし休日に電車を乗り継いでこんな所に遊びに来る方がいるとすれば話しを 聞いてみたい…」 目の前は海だし…。D滑走路自体もまだないのではなかろうか…。 いずれにせよ運賃改定第1回目のお仕事は完了しました。

値上げの感想としては「遠回りしたっけ〜?」と思う位のレベルで高い。

確実に値上げされてます。(当たり前)

完了と同時に海の匂いを堪能したり写真なんか撮ってましたが、ふと我に戻り、第二目標の換金へ向かいます。 昼間の羽田からだと気が遠くなる程の回送距離であり、渋滞が激しい一般道だと組合経由の個タク村進行は途方もなく 面倒であり身も心もボロボロとなります。
途中で気絶するかもしれないし、クロの散歩の気力は温存したいので組合までは 首都高で進行しました。

画像は首都高速4号線 元赤坂オービス付近

進行途中の暇潰しに無線室へ電話を入れてます。「今月の昼間無線担当日を今日に振り替えて下さい」と…。 しっかりしてます。

なんとか組合にたどり着き財布に現金を補充し、個タク村への帰還を試みました。 特に急がず進行しておりましたので、練馬の外れで年輩の女性客を実車致します。 すると「日本橋までお願いします」正反対への進行を指示されます。 「え〜逆だけど…」とは思いましたが、都心へ再突入する運びとなり、 このまま営業を続行する事を心に決めます。

日が沈んだ日本橋からカミさんに1本のメールを送信しました。
「帰還不能。クロを頼む」 と …


ここからは無線を何本取ったか覚えてない勢いで取り続け、通常の営業開始時間には十分帰庫可能な営収を確保しましたが、 貪欲な私はいつもの時間まで営業を継続しました。 お得意さまからも「新しい値上げメーターで是非、乗ってみたい」と連絡が複数入り、運賃改定初日は大入りで終わる事ができました。 運賃改定実現に努力された皆様方には感謝御礼申し上げます。


画像は昼間担当時間内に配車になった文科省前

2007.12.13



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