21時間
目標遥かなり


先月(2014.3)の連休を絡めて、瀬戸内海に浮かぶ島に行ってきました。

昨年の10月以来で、久々と言えば久々だし、またかと言えばまたかな感じの中の出発でした。


前回の記事
2013海遊び  瀬戸内国際芸術祭2013 遭遇視察
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最終的にフェリーで島に上陸するが、そのフェリー区間をさっ引いて概ね700キロ (揚陸後は4キロ)

私だけ(元気)なら8時間位での進行は可能ですが、今回もクロちゃんが同行するので、
概ね12〜13時間で予定した。



今回の予定

春を感じる中、「現地も春爛漫に違いない。」との根拠なき希望的妄想の中、 急仕上げでの立案だった上に、スタート前からボタンを掛け違え、当初から計画に無理があったが、それら不足分は精神力で補いたい。と出発した。

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かき入れ時の年度末連休前日の勤務を放棄し、出発日としたが、 出発当日は次男の卒業式だったので、その前日のお仕事終了後、 ほとんど眠らず式典に参列。


昼に帰宅し、出発時間を模索した。


夕方18時がベストと言うか、毎回、同じ時間帯に出発している。

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根拠はこうだ。

夕方の都内の渋滞はやむを得ない。


それは全行程からみると、たいした距離ではないからで問題視していない。


夕方から深夜にかけてだと、神奈川県から京都までは第2東名や新名神の新造高速のお陰で、事故渋滞にでも遭遇しなければ快適に抜けられる可能性が高い。



ネックはただ1つ

名神吹田から中国自動車道に入ってから、「宝塚付近までの渋滞である。」


特に朝方からの渋滞は深刻で、連休初日の朝は極度に深刻なのは容易に想像でき、 回避するには可能な限り、明け方より少しでも前に突破する必要がある。

渋滞の理由としては、日の出位から西日本の行楽地に向かう車が殺到するからではあるが、 関西屈指の大都市圏から西日本に下る高速道が一本しかないのは明らかに構造的に不備叉は欠陥と言わざるを得ない。
山陽道に入るにも一旦、中国道に入り宝塚を過ぎてから分離しているのが現状だ。


東京で例えるなら、中央道に入るのに一旦、用賀から東名に入り、 厚木付近から中央道に分離していくに等しい。


もし、山陽道へのリンクが名神道で京都を過ぎて天王山付近から可能であれば交通集中が大幅に緩和できると思うが、よそ者の私がいくら願望しても意味がない。

以上、明け方前に宝塚を突破する必要性から 18時出発は基本的出発時間で、ある意味、「定刻」と言ってもよい。

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当初の予定だと、18時に出発し、深夜2時に宝塚を突破。

岡山県玉野市のフェリー乗り場に明け方前に到着し、始発で本土を出航する。


この鉄板走法だと決めてはいた。 が、


昼食後、次男と打ち合わせしようとした所、「夕方から打ち上げだ」 と言う。
なんの打ち上げで、必要性の有無が理解できなかったが、「行く」と言うのでしかたない。


想定外の突発的事象に対応できてこそプロのドライバーだ。」


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定刻発車を見送る羽目になった。


夕方のクロちゃん散歩後、仮眠しながら考えた。


なるようにしかならんが、午前中のフェリーの時間は朝の6時と、10時台。


どう考えても始発の6時台は不可能なので、 10時台か…?


つか…

船が無さ過ぎ…   (-.-zzZ



21時過ぎに、はっと目覚めるが、次男は戻らず。

長男にラインで動態を探らせた所、22時が帰宅予定との事。
6時の船は見送り確定で、どーせ宝塚でハマるから、 のんびり行こうと開き直った。



22時半に次男は戻ってきたので、急ぎ支度して23時前に出発。

5時間ほど遅れたが、眠気を感じつつも、何時間の差となっての結果となるか、 全く見当がつかなかいまま発車。


23時回ってると、都内はスイスイ。

同業者の実車率に気を取られつつも、環八を経て東名高速に入った 。



結構、同業者が東名を下っていた。さすが連休前日だけの事はあって忙しそう。

支部マークやドアナンバーに目がいくと不思議と眠気は吹っ飛んだ。

厚木を越えた付近から、ご同業衆を見なくなって、ある状態に気がついた。


眠い…


眠いが、しばらくは起きてられる感じではあったが、これからの距離を考えると気が遠くなりつつ、「引き返すなら今だ。」と、心の中から誘いを受けたが、既に夜の仕事を休んでまで発動させた計画の推進を選んだ。


眠気

長い間、いまの仕事をしていると、ある程度は自分の状態が分かる。

起きてられる境界線が分かるのだ。

居眠り直前の休憩のタイミングは絶妙で、 パーキングスペースに入って10秒で眠る事もできる。



体調的に、初回の休憩は早い段階とし、初回休憩で極力回復に努める。としたが、 早過ぎる大休憩は進行の中止に結びつくので、新東名沼津サービスエリアまでは進出を果たす事にした。



いきなり100キロちょいで仮眠。


その前に皆で食事。

その前後にクロちゃんを歩かせたりするので、SAに入ると、時間は流れるばかりである。


小一時間仮眠し、2時前に出発。


もはや午前中ののフェリーは無理じゃなかろうか…? と、


弱気になりつつ小休憩を幾度となく取りながら、 なんとか5時間ほどで新名神に突入したが、三重県に入り、 鈴鹿付近で心が折れた。



二回目の仮眠と思い、入ったサービスエリア

仮眠前のクロちゃん散歩中、雨だったが、突如大雨に…


ここまでは良かったが、雨が雪に切り替わった。

信じられん勢いで降り積もる。

雪には2月にこてんぱんにされた恐怖から、逃げるように山を下った。


ノーマルタイヤだけに心底焦りました。

京都まで一気に走り抜ける事にしたが、勢い余って天王山付近まで走り抜けて気がついた。


ここから先、宝塚までサービスエリアがない事に…


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予定通り 吹田付近からドンピシャで渋滞にハマり
時間を意味なく失っていったが、気力と体力もどんどん抜け落ちた。


確か2時間近い渋滞だったような気がしますが、どーでもよくなり覚えてない。


山陽道に入り、すぐのサービスエリアに10時位にイン

気絶寸前でしたが、クロちゃんと歩き、軽く食べて寝る事にしました。

10時のフェリーは遥か昔に諦めてたので、15時のフェリーだから、12時に起きれば確実に間に合う距離なので安心して眠りについたが、起きて驚いた。



起きてみたら全員爆睡していた。 (クロちゃん含)



一番驚いたのが、13時だったからだ。


15時台の正確な発船時刻は何時だったか?


結構、ギリっぽい。

想定外の出来事に困惑しながら時刻表の写しを探すが、見当たらなかった。


うる覚えだと、15時台は確か15時55分なので、15時30分を暫定目標到達時間として設定。

一応、問題なさそうな2時間以上前に出発はした。

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山陽自動車道を岡山で下り、ナビの到達予測時間も15時15分と、 極めて順調なペースだった。


が、岡山市内に入り愕然とした。


ぜんぜん動かない。


東京じゃーあるまいし、信号待ちか?と並び続けたが、信号を三つ越えでも似たような状況で、 ナビを見たら到達予測時間が13時50分に修正されていた。




まずい



考えるのが困難ではありましたが、このままじゃあ着かない事は間違いない。

よくよく付近を見渡すと、私のも含め、他府県ナンバーが目立つ。皆さんナビを頼りにした結果こーなったのか?


ナビコースからの離脱を決意。

他の道はスイスイで、フェリー乗り場へ向かう

疲労困憊だったからとは言え、ナビに従ったてたのがアホみたいだった。


15時25分 玉野市街に到達

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時間に追われた長い道のりも、いよいよ終焉だと振り返りつつ、数分でフェリー乗り場に入った所で目を疑った。


沖合を見ると、見慣れたフェリーはこっちに向かってるはずが、 背を向けていた…


入れ違い?


車を一台も居ない乗船待機レーン花番(先頭)位置に放り込んで、 受付に駆け寄って聞いた。


今、出たのは小豆島行きですか?


と、聞いた所、


係の方
20分に出ましたよ。


だよね。
次は何時ですか?


係の方
最終便の19時です


との事





全てが無駄だった。

つか、どんだけ船便が少ないんだ…



眠気を気力で振り払って、鈴鹿付近から雪の中を強行突破した事も、宝塚までの大渋滞を気力で抜けた事も、 不慣れな岡山市内をナビを無視して路地を這いずり回った事も、全て無駄なあがきだった。


一瞬、途方に暮れたが、現実を受け入れるしかないので、どーするかを模索。

既に島で展開している先遣隊に 遭難を報告し、対応策を問い合わせた。


するとフェリー乗り場近くにある日帰り温泉をあっさり紹介された。
(同様の体験時に活用されたらしい)


瀬戸内温泉 たまの湯  (JR宇野駅より東へ徒歩5分)
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スポルト20をレーンに放置し、クロを車番に残し、風呂まで歩いて行く事に


入浴料1人1500円(3月当時・4月から値上げみたい)
3人なんで、4500円 (飲食除)
フェリー代に迫る金額を支払って入店。



なかなか洒落た作りで、お風呂の作りもいー感じ。

湯も柔らか目でゆったり入れる。

何より瀬戸内海を低い視線から眺められる露天風呂が最高!


「ふっひわぁ〜」
入浴時の第1声が久々に出ましたよ。


しょっぱいので、海水疑惑を疑ったが、天然温泉らしい。


いやー。移動の疲れを癒やすには最高でした。

全ての苦難は最高な入浴の為の準備に過ぎなかったのではなかろうか?と、思えた
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あっと言う間に1時間経過したが、至高の時間は、まだ2時間ある。
ふと思うと、贅沢な時間と思えた。


普段、日帰り温泉に行っても、色々と用事があって時間に追われてる関係から、 「あと何10分でお風呂から出よう。」

なんて必ず考えるが、今回は違った。


時間に追われる事なく船が出る時間まで、ここに浸かってるしかないのだ。
本当にゆったりした時間で、泊まりで温泉に来たに等しい。


また、4月から長男は独立するので、私や次男と揃って風呂に入る機会は激減するだろうし、最近、風呂好きの割に子供達は私が誘っても温泉旅行には来なくなってたので、今回の風呂は奇跡的な偶然によるお導きのようで、考えようによっては、 数時間を神様から与えられた。 のかもしれない。


皆で時間を持て余してたので、色々と話もできた。
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最終便で揚陸


拠点到着まで実に21時間もかかった。

車では記録的な数字で、原付バイクで広島から東京に戻った時の記録に迫る。
遅くに出発したので仕方ないが、睡眠不足に起因する体力不足も大きい。


疲れると休む。

厳格な運行管理の徹底以前の問題として、出発時に既に疲弊していたのは致命的。
そして体力の低下は判断力の欠如を招く。


岡山での座敷もそうだが、帰路の新名神でも、信じられない大失敗をした。

今でも信じられない。

 新名神を三重県側から海沿いを走って愛知県に入り、東名にリンクするはずが、 気がついたら名古屋の中心街を走っていて、一旦高速を下り、再度乗り直す状況に陥った。

割高となる高速代は仕方ないが、これは遊び過ぎによる疲労で、 適性な判断力を失った結果だろう。

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疲労してると休憩回数は増える。

休憩時には毎回かかさないクロちゃんの散歩時間も回数に比例して凄い時間となった。
休憩回数を減らす努力が必要なのに体調管理の失敗はその回数を増す結果となった。
準備や下調べの基本計画が欠落してた中、精神力で進もうとしたのも誤算。

とにかく無理ができない年齢に達した事を自覚するには十分でした。
反面、無理せず躊躇なく休んだ事は評価したいし、 予定が全て崩壊し、失敗が連続した旅行ほど思い出に残る事は間違いない。

当時は真剣でしたが、数ヶ月もしたら笑い話だろう。(笑  きっと、、
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2014.4.17
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