雪道走行2014
帰庫不能



世間ではオリンピックの話題がもちきりではありましたが、ソチで1個だけ金が出た。
氷上を自在に動くだけでも凄い事ですが、その芸術性には驚いた。
そしてショートの選曲は抜群でした。


冬の祭典で盛り上がったソチよりは、 明らかに雪が多い、こっち(東京)はと言うと、
自然の猛威にただただ圧倒されました。


前回の四十年ぶりのバカ雪には驚きたじろき運休しましたが、
今回、2月14日の雪は甘くみていて大変な目に逢いました。


一応、稼ぎ時の金曜日だったし、雪の日に特定の無線配車を受けると、
後日優先的に配車を受けれる権利獲得を目論む煩悩や、
「都内の積雪は10センチ程度」と控えめな気象予報等を総合的に勘案し、
とりあえず出庫する事をクロとの散歩中に決めました。


    ↓画像は散歩時。この時点ではたいした事ない。




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[参考・私見]  振替優先配車

雪の日に台数確保を目的に、寄せ付ける為の「飴」として設定されたと推察されますが、よくよく考えると普段から台数が出ない中、後日、優先配車目的に対象車が殺到すれば大きな効果は期待できない。と結論。

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まぁー 練馬の豪雪地帯である個タク村だからこんなんだが、都心部は予報程度に違いない。
また、雪道走行はそれなりに慣れたもんだからなんら問題はない。と、極めて楽観的観測から、22時過ぎにフーガを掘り起こして発進。



一般営業しながら、進塁開始。


やや雪が多い感はありましたが、グリップはしてるし、問題ない。

順調順調。



   ↓出る時点でこんな感じ。ここで降りやんでれば問題ないのですが、、、



  と、第一目標の国会周辺に向けて進み続けた。



 環七、環六、明治通りと環状線を突破して都心部に近づいて進むにつれ、
積雪量は減少していくに違いない。との経験測が見事に外れた事に、 環七手前から薄々気がつくも、発動した以上、計画に変更はないので突き進むが、 皇居を取り巻く内堀通りまで到達した瞬間に「こりゃあー。前回の積雪を上回るのは間違いない。」と、比較的初期の段階で覚悟し、スノーモードに切り替えた。


     ↓麹町4丁目周辺。歩道を歩きにくいからか、歩行者が車道を歩き始めた。




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しかし、出て来た以上はただでは帰れない。


 と、採算重視の貪欲な発想から、東西南北の無線のとりやすい拠点を目指す。が、
国会の坂道(登り坂)で法人タクシーさんがスタックして立ち往生していた。

こちらの右側車線なのに、なぜかこっちを向いている。

恐る恐る近づいて、声をかけた。(ちなみに女性2名の実車中だった。 )


大丈夫ですか?  (海猿調)


そちらと違い、パワーがないから登れないんですよ。バックで登ります。


  (-.-;)  


意味がよく分からなかったが、正に右往左往している事は間違いないようだった。
お気をつけてー。と、発車した所、数センチ前進した所で メーター部のスリップ警告灯が点灯。


私も前に進めない。


フーガの場合、スリップ警告灯がつくと、お節介にもエンジン回転が抑制されて、 動力をリアタイヤに伝える作業を怠るから進まない。
解除する方法を学習している暇はないので、とりあえずタイヤ回転を0にし、
0から改めてゆっくり0発進!


モーモモモとかぶった感じの低回転でなんとか登坂した。


やはり雪道は後輪タイヤが押す力で進むFRは不利


駆動輪で雪をかきながら進む前輪駆動が絶対有利だと改めて感じながら、 ティアナ時代を懐かしく思いつつも、
現状に集中しました。


既に坂道では一気に登らなけろばならない状況になっており、
降雪量も増してきて、積雪の積み増しは誰の目でも明らかであった。

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そして、、、、


ものの30分も経過したら、

吹雪とはこんな事を言うに違いない。

  くらいに降ってきた。



しかも、我が国の中枢である永田町でこんな気候があり得るのだろうか?

吹雪の先に議事堂が見えたが、なんとも言えない無力感と、
このまま氷河期にでもなるような錯覚さえも覚えました。


てな心境なもんだから、第一目標地点到達と同時に「撤退」
の二文字が、理性的には頭をよぎった。 いや、、本能的か、、、、

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が、


理性より「優先配車権」獲得の煩悩 が勝り、一点狙いで付近に待機した。

意外と早く、10数分で狙いどうり配車。


あとは長距離でない事と個タク村方向である事を祈りつつ、ご実車。


「方南町まで」


完了後は環七で速やかに引き上げろと言わんばかりの実にベストな行き先で方角的には申し分なかった。正直な話、既に売り上げはどうでもいー次元である。


方南町への進行途上、スリップ警告灯は何度か点灯しましたが、
交通量がある都内でスタックする事はなかったが、各地での倒木などには肝を冷やしました。
あんなのが倒れてきたらどーすんだ。と、素朴な疑問を抱きつつも無事完了。



そこで帰るべきだった。が、無線で方々を呼んでいる。

明らかに都内は手薄であり、通常なら夢のように呼んでいる。



 あと1回ほど、、、、

軽いお付き合いのつもりで、都心部に戻った。 
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さぁー

どーする




と思った瞬間に雪が雨に変貌。

雨は雪を溶かすから状況はプラスに転じたか?


と、思ったら大間違いで、水分を異常に含んだドカ雪は泥に水を混ぜたのと同じように
白い泥沼にでもなったようで、それまで以上に滑る。


さっきは越えられた坂道を今度は越せない。


一度、止まってからの坂道再スタートは困難を極めました。


この辺から写真を撮る精神状態になし。
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  選択肢はなかった。




   帰るだけだ。

   つか逃げるだけだ。


   一刻も早く…



西に進路をとり、車間距離をめい一杯あけながら車の流れにのり、 先行車に習って轍(わだち)のレールにのって、新目白通りの行きつける地点まで進み、あとは出たとこ勝負だった。

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回送で撤退するつもりが、現状の気候下では絶対に空車タクシーが通過しないであろう場所に、かれこれ一時間は待っておられるであろうと推察されるお客様らしき方を遠方に発見。

即座に左折するか、回送に切り替えるか悩みましたが、これは何かのご縁。

近づいてみる事にしました。

距離50メートルくらいで大喜びで乗車申し込みの意志表示をされましたので、 轍から外れ、新雪の積もる路側帯(推定)に停車。


方角的には西の個タク村方向も十分あり得る乗車位置だし、きっとそうに違いない。との願望的観測からでしたが、


見立てが甘かった。


真逆の浅草まで …


撤退方向の 180度逆 の感じ…

こーなると行くだけですから、発進しようとしたが、緩やかな坂にも関わらず、 スタートできない。


新雪に入り込んだ前タイヤを押し出す推進力を発揮するはずの後輪タイヤは、
グリップ力不足で虚しく空転した。



押してダメなら引いてみろ。

てな判断からバックしては前進を繰り返し、数回目で前輪タイヤは雪の壁を越えて回りだした。

もう、信号待ちも含め、止める場所には細心の注意を払う必要性を肌で感じつつ、
のそのそ発車。


轍を頼りに行くも、轍は踏み固められて圧雪アイスバーンと言う、不均等な氷の板のような固形物質化しており、その上を通るとガッタガタ。

乗り心地は最悪で、とても旅客輸送に適してるとは言えないが、
轍以外は水の混ざった豪雪が水田のようにヌタヌタでグリップしない。


ヌタヌタ走る か、ガタガタ走る かのニ択だった。
他の車のほとんどが、「ガタガタ路線派」のようなので、自動的にガタガタ路線となったが、本当に酷かった。

まるで車検の下回り検査のガタガタ検査みたいなガタガタを延々と繰り返す感じで、いつかボルトやナットが 欠落し、車体が分解を始めるのではなかろうか?


って感じの中、進み続けた。


最後のご自宅前の路地が、殆ど車が通らない道だった為に轍が存在せす、フーガは何度となく、リアを左右に振りながらもなんとか御自宅に横づけするまで困難を極めるも、いつもは20分で完了する距離の仕事を終えたのは実に倍以上の45分後となりました。


お別れ時

深々と頭を下げられ、車からはなかなか降りずに何度もお礼を言われ、「よかった。よかった。」と思う気持ちが半分。
「早く帰りたいから直ちに降りて頂けないか?」と思う気持ちも半分。なんとも複雑な心境でした。



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敗走


概ね25キロ先の個タク村まで、 どーやって帰るか?



交通量がある道しか選択肢にはなかったが、加えて坂が少ない路線を頭の中で高速検索。

 上野まで退去後は比較的雪が少ない高速高架下の道路である「昭和通り」で南下し、靖国通りで九段下から新目白通りに抜けてひたすら下る。A案を一番に閃いたものの、御徒町に達した段階で靖国通りは交通量が多すぎ極めてガタガタだ。として中止、蔵前橋通りから後楽園を抜けて大曲付近で新目白通りに抜ける修正案を採用しました。

本郷付近の坂道が懸念されたが、適度な交通量がある道だから車の流れにさえ乗ればなんとかなる。と、判断。


で、坂道は一定速度を維持していれば問題ないが、登り坂に無慈悲に設置された信号にひっかかる都度に苦戦した。止まっちゃうとまず登らない。

一旦、バックして勢いをつけて前輪を雪に乗り上げてからリアを振りながら加速する感じ。


にもかかわらず…

通常は次の信号はすんなり行けるのに、モソモソ走るもんだから、次の信号にも必ずひっかかる感じで、ストレスは溜まる一方でした。


新目白通りで環6を目前まで引いたものの、この先の中落合のアンダーバスを越えれるのだろうか?さらに貫井の谷や、みのわ陸橋等の難所が何カ所か思い浮かんだ上、路面のガタカダにはホトホトうんざりし、滑ってもいーからソフトなヌタヌタコースへの変更を模索。



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よし。

坂のない新青梅街道はどうか?


と、新たな撤退コースを発案。

天才的閃きと確信し、西落合から新青梅街道に進路変更するも、
数分でとんでもないとこに踏み込んだ。 と、
浅はかな思いつきの進路変更を心底悔やんだ。


ガタガタはないが、今までよりは雪が深い。

積雪量はバンパー下部ラインと変わらない。

しかも、雨でぬかるみ、ヌタヌタ。


とにかくとんでもないとこに踏み込んだ。


ゴールが近い事で、やや楽観モードになりかけたからか、余計な事を考えたのだろう。


で、数百メートル進んだとこで、あろう事かパトカーが轍の上に止まっている。事故でもあったのだろうが、そんな事はどーでもよい話で、問題は轍のレールから外れて深い雪をまたいでパトカーを追い越せるだろうか?

新青梅街道はこの先は一車線。なんかある都度、車線変更なんかやってられない。


みるみる弱気になっていた。


やはり2車線以上の道路に限る。

と、左の路地にバックで入り、Uターンして本線に逃げ戻る事にし、バックで路地に突っ込んだ。が、前に出すつもりが、全くダメ


前にも後ろにも微動だにしない。後輪は駆動力を伝えるも、前輪の前に立ちはだかる東京では尋常じゃない雪の壁を撃破できずに瞬時にスリップした。


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15年くらい前の昔

家族で川遊びに行った時、バーベキュー道具を運ぶのが面倒くさいので、調子こいて砂地の河原まで車で下りていった。
今思えばバカ丸出しの行為により、 身動きが取れなくなり、悪あがきした末、前にも後ろにも微動だにせず、車から降りてみたらスカイライン(当時)の脆弱な腹の部分が砂浜に着地していた。


こーゆーのをスタックした。 と、言うのではなかろうか?


と、実習した事がありますが、あれが人生で初スタックだった。



ジャフに電話して、「そこだと救援にいけるのは3時間後です。」

と、言われた事を昨日の事のように思いだした。

あの時は「これから川遊びで6時間は遊んでますから3時間くらいは全然平気です」と答えたほどに、精神的には余裕であり、なおかつ自家用車が、リフトで救援されるシーンをバ ーベキューを食べながら生で堪能すると言う摩訶不思議な体験(無料)は、ある種、楽しい部類の初体験だった。


しかし、今回は違った。

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仮にジャフに電話したとしても、この日の天候では半日以内の救援は絶望的だ。 また、前回は砂地であり、救援後は舗装路で何もなかったように帰宅できたが、今回は救援されたとしても 再度ハマル可能性もある。


かと言って看板を掲げた営業車を路上に放置し、電車で帰る事は生き恥に等しいし、 始発までファミレスで時間を潰したとしても、始発が走るとは到底思えない現状ですから、とにかく自力で脱出するか、自沈して果てるしか道はない。


そう理解した途端に意外と冷静になれました。

前にも後ろにも行けないのは雪に埋もれたタイヤ環境だからだ。

なら問題を解決すればいー訳だと気がつき、車から降りてタイヤ前後4本の雪をタイヤ各々から前後40センチほど取り除いた。

一旦バッグし、総延長80センチの滑走路を得た状態でゆっくり加速し乗り上げてからは適度な駆動力で押し進む走法で脱出に成功。


失速しないよう、本線上の轍にはいり、後は先人達の刻んだ軌道にそって進むだけだ。
この作業で同様なピンチを切り抜けれる事を知り、いくらか気楽にはなったのか、雪の日はトランクにスコップを用意するか、工兵隊を随伴させれば万全だな。とか考える余裕ができてました。


新目白通りに戻り、無心で先行車に続いて敗走


立体交差の陸橋は全てスルーし、側道伝いに進行

環八を越え、積雪量がさらに増加したものの個タク村が近いので、無心で先行車についていき、車庫まで300メートル地点まで逃げ帰ったところで、 目を疑った。



都道から車庫に通じる区道に入らんと左ウィンカーを点灯させたものの、思わず立ち竦む。

とんでもない雪の量でバンパー中央部ラインまでの積雪は、 どー考えても突破不能。


物理的に不可能なので、 「もはやこれまで」 と、運行の中止を最後の最後に決断しました。

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雪の壁のようであり、突破にはキャタピラーか、スタッドレスタイヤ装着の車高の高い4輪駆動しかない状況を目の当りにし、途方もない無力感を覚えました。

後方にあるお付き合いのある経営者のコンビニ駐車場に、フーガをぶち込んで、あとは歩いて帰ろう。と緊急処置案を思いつきますが、戻る為にUターンするに必要な路地は雪で進入不可能

苦肉の策のバック走行でコンビニ前まで後退。

あいにくの天気なので交通量が少ない事は幸いではありましたが、
最終難関としてはどーやって駐車場にぶち込むか?


コンビに駐車場の積雪量は区道より低いが、縁石付近を後輪駆動で乗り越えられない事はこの日の体験学習から明らかでした。

とは言え、路上に放置する事もできないので、突っ込むしかないと結論。


意を決してコンビニをバックで追い越し、今度は右前方に見えるコンビにめがけて40メートルほど加速しながら緩やかにハンドルを右に切り、車庫に対して直角になると同時にハンドルをまっすぐにして即座にアクセルオフ


いけー


惰性だけでコンビニ駐車場に突っ込んだ。

ガサガサガサガサー


と、胴体着陸した心境でなんとか不時着

最低限の礼儀から、綺麗に駐車しようと動かそうとしたが、前輪が完全に雪にめり込んでお手上げ状態。流石に観念。

異常に長く感じた旅も、ここが終着駅となりました。
よくわからない達成感の中、膝まで雪に埋まる駐車場でフーガを降りました。



クタクタで、同じような雪の日は2度とでません。 2014 雪道走行 完

  ↓個タク村の平均的な轍のギャップ 推定1メートル(うそ) 45cmくらいか、、、、、^^: 



 2014.2.26

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追記

普通なら家まで5分の道のりを三倍ほどかけて歩いて帰りましたが、 雪道に埋もれた足を引き抜きながらの歩行って疲れますね…。

結構、雪道走行には自信はがありましたが、今回は無力感に苛まれ、自分が雪道の、 ど素人なんだとよくわかりました。


雪国で日夜、車を運転されてる方々には心から敬意をはらいます。

東京は確かに雪に弱いですが、除雪能力(町内会頼み)がない事からもわかるとうり、 雪に対する備えは皆無。


そりゃあ滅多に積雪のない東京が雪に備えるのはナンセンス

雪なんかそっちのけですし、備えるなんて税金の無駄です。
家に居れば済む話。



今回は40年に1度しかこない大雪が週に2回も降っただけ。

たまたまですね。

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