タクシー乗車法


8月末の某日。珍しくまとまった雨の日でした。 8時に家を出て車庫まで行くと大雨に変わり、30分程テレビを見ながら出庫を見送っておりましたが、 キリがないので意を決して出ます。今、思えば意を決して出る程、奇妙な1日です。

赤坂に21時半には入りましたが、天候の影響で即、配車状態です。 最初の2本は直ぐ配車でした。(実車完了もですが…) 雨が落ち着き配車も落ち着いた0時過ぎ、赤坂一ツ木通りに三度目の配車になりました。

10分待たされ、乗られてきたお客様は 「東戸塚へお願い致します」と丁寧な言葉で申し込みされました。 私は「首都高を飯倉から入り、横浜新道今井で下りますがよろしいでしょうか?」 と申し上げましたら、 「それでお願い致します」と了解を得たので、そのコースで進行します。

高速に入ると、このお客様が語り始めました。 「運転手さん。最近のでんでん虫は酷いよ。一部だと信じたいが、その連中のせいで、でんでん虫ブランドは地に落ちるよ。 でんでん虫ブランドはタクシーでは世界1だったのにもったいないね〜」


私。
「ご指摘ありがとうございます。具体的にどのような酷いでんでん虫の個タクがおりましたでしょうか?よろしければお話下さい。」


東戸塚までのお客様。
「とにかく迂回運転が凄い。私の会社は西新宿にあるのだけど、女子社員にでんでん虫専用チケットを渡すと嫌がらてますよ。」


「へ〜それは残念です。迂回とはどのような迂回だったでしょうか?」

お客様
「私の家は東戸塚ですが、何も言わないと殆んどの方が新宿から首都高に入ります。第三京浜から入るより、3000円は高いでしょう。」


「そうですね。早いからとの理由でそうされてるとは思いますが、最初に経路は確認するべきですよね。」

お客様
「ところがが確認する運転手さんもいるのですが、こっちが第三京浜まで下でお願い致しますと言っても遅いから早い道で 行きましょうって言うのですよ。まぁ早く帰りたいのは間違いないのですが、遠回りしてまでもね〜。時間的にもそこまで 遠回りしても大差はないでしょう。なのに首都高が混んでても行きたがるのには納得できませんよね。遅くて高いでしょう。 さらに羽横線どころか湾岸線で行った運転手さんもいました。永田経由でね。なんでレインボーブリッジやベイブリツチ走るのか 不思議ですよ。さすがにこの時は支払いしませんでした。法人の会社だと、まずこんな遠回りはしません。法人は4社とM社しか 乗りませんが、もし迂回があるとしてもそれは道を知らないからです。それならすいませんと言って頂ければ済みますが、個人さんは皆さん 確信犯ですよ。法人さんならこっちが遠回りと知らずに遠い道でお願い致しますと言ったとしても、その道は遠回りだからいくら位の損になりますよー。 と教えてくれますよ。この姿勢がプロでしょう?」


「返す言葉が見つかりませんが、おっしゃるとうりだと思います。」

お客様
「でしょ〜。でんでん虫さんに自浄力ないと本当に最低ブランドになると思いますよ」


そーなると私も第三京浜まで目黒通りで行くべきだったのか?不安になりつつも経路確認したしまぁ〜い〜か。と東戸塚までお送りしました。 着くまでの間の40分。ず〜っとこんなやり取りしながらです。」都心へ戻りながら少しブルーな気分で考えました。 本当に最近は料金に対してシビアになってるんだなぁ〜。こりゃあ今まで以上に経路確認は細心の注意が必要だなぁ〜。
とか…。
 




要点をまとめると、行き先確認は当たり前として、


経路確認の徹底。


経路を提案する場合は所用時間より、最安運賃からの提案が望ましい。


乗客からの提案より安い経路を知っている場合はその安い経路を逆提案したい。


すると今回のような苦言を聞く事もないだろう。幸運にも今回ご利用頂いた上場企業の方ですら運賃に対してかなりシビアな考えを お持ちだと言う事を知る事ができました。25時半過ぎに都心へ戻り、なんとなく赤坂はパスして市ヶ谷に入ります。
流れてたし…。


市ヶ谷エリア5台目で登録し、コーヒーを買ってティアナに戻るとなんと配車になってました。
慌てて「了解」を入れて進行します。
市ヶ谷某所でお客様をお乗せし、行き先を確認したら「くぬぎ山へお願いします」との事。
くぬぎ山は松戸の五香の先ですが、これは経路が難しいなぁ〜と思いましたね。四ツ木まで上か全部下か京葉道路も選択肢としてはありますからね。さっきの東戸塚の お客様に散々メーター料金について言われたあとだけになかなか経路を提案しにくい感じですが、このお客様は行き先を告げるだけで 経路について何も言いません。
仕方なくこちらから「経路ですが水戸街道ですか?それとも高速使われますか?」と当たり障りなく 提案させていただきました。

すると

お客様
「疲れてるんで早く帰りたいから高速でお願いします」と申されました。

あ〜上で良かった〜と思いつつ 
私。
「分かりました。では四ツ木まで上で行きます」と申し上げます。すると

お客様
「あのね。運転手さん。疲れたから早く帰りたいと言いましたよね。四ツ木から水戸街道が混んでたらどーすんですか〜?
三郷から 外環入って松戸方向終点まで行って下さい。(`ヘ´)」


あ〜怒らせてしまった〜。でもここは四社さんの真似をして親切なタクシー乗務員を装いつつ「それだとかなり遠回りになり三千円は高くなりますが…」 と

お客様
「あのね運転手さん。一般道で渋滞したら止まっててもメーター上がるでしょ。近くたって高速で行く場合と値段変わらず、 さらに遅いのなら最初から遠回りでも早い道がいーに気まってるでしょ。あと疲れてるのにイチイチ信号に止まるのもいやなんですよ。 誰でも電車に乗る時は各駅電車ではなく特急や快速乗るのと同じで、高速代も時間を買うと思えば安いもんですよ。


「ホントおっしゃるとうりです。…」で、指示どうり進行しました。

両極端のお客様を交互に実車となり、エライ疲れました。私にはどちらのタクシー乗車法が正しいかはわかりません。 指示どうり走らせるだけでございます。 その指示する道が、高かろうが安かろうが、遠かろうが近かかろうが、早かろうが遅かろうが、関係ないですね。 私が利用車の立場なら極端に高くならない早い道を選びますが、最短距離至上主義と最速至上主義の双方ともあまり固執しない方が 懸命でしょうね。

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2007.9.14


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