ショックら...らっか!落下事故!
無情の重力

6月のとある日

 無線待機中の有り余る時間の有効活用と言うか暇潰しに、 エアクリーナーの点検をひらめいた。 そろそろ交換時期だと体感時計が知らせたからだ。
簡易型のマイナスドライバー1個あれば点検できてしまうので、気軽な気持ちでスタート。

仕事はこの時の無線営業を一回こなしたら終わりにするつもりでしたが、雨上がりの爽やかな気候が、暇つぶしメニューを思いつかせたのかもしれない。 作業は片手にマイナスドライバー一個あればできてしまう正に片手間仕事で「簡単過ぎる」とナメたからか大失敗を犯す。

なんとマイナスドライバー君。手から離れていってしまった。

幸いすぐのハーネスに引っかかったので、取り上げようとするも、あろう事か再度手から離れた。
その瞬間から闇夜での作業につき目視での追跡は不可能。 見失った瞬間から聴力を最大限に活用し、聴力で追跡。

カラーン、ココーン、ゴト。と落下。

暗黒のエンジンルームと言うブラックホールに飲み込まれていきました。
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 最後の鈍いゴトと鳴った音からして路面に落ちたに違いない。「コンパクトタイプのドライバーで良かったなぁー。」と、 楽観しつつ、下を覗きこんだが見あたりません。 「暗いからなぁー」と車を少しずらしたが見当たらない。 こりゃあ残留してるのか? と懐中電灯を調達してエンジンルーム内を見渡すも、光の届く範囲には見あたらない。 完全に見失ってしまい途方に暮れました。
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( ̄○ ̄;)

これはマズい。っしょ。

とんでもない落下事故をおこしてしまった。個人的には福井にある原発「もんじゅ」の制御棒落下事故より精神的ショックを受けました。
あのような鋭利な金属製の異物が混入した状態では走行に支障をきたすと瞬時に考えたからでした。


色々考えた事の例
 ファンベルトに絡まったり、ダイナモの動きに支障をきたす状況になったらどうしよう。 ただではすままい。

 エンジンマウント付近に刺さり込んで正常な振動吸収の妨げにならないだろうか?

 冷却ファンに転がり込んでファンを破壊して冷却効果を失わせた上、勢いを増した鋭利な突起物はラジエターのコアを損傷させて 冷却液流出と言った最悪の可能性を否定できないと考えたりしました。

こりゃあ除去するしかない。との結論に達しますが、目視で確認できない以上はお手上げでしたが、お手上げと言う状況下では逆に 冷静さを取り戻し、発想の転換をはかります。

想像できる危険性を一つ一つ検証してみよう。と、…

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まず、例1のファンベルト付近への影響。
そもそもマイナスドライバーを落下させたエアクリーナーボックス付近は向かってシリンダーの右側である事に着目。 シリンダーを挟んで左側にあるファンベルト周辺に平行移動する事はあり得ない。

例2の場合
落下推定コースの延長線上にあるエンジンマウント付近(今回の場合は2箇所)を徹底的に調査。当初はマイナスドライバーを探したが、 今回は逆にマイナスドライバーが無ければ悪影響はあり得ない。と、決着。

例3の場合
例2と同様、悪影響が出る位置にマイナスドライバーを探せば問題ない。

そして2も3でもマイナスドライバーはなかった。もし付近にあるとしても下にあるはずで重力に逆らって危険性がある部位まで上昇する事はない。 念の為、エンジンルーム最下部にある底板的役割を担うインナーカバーを叩いてみたり、車をゆっさゆっさと揺さぶってみたが、 マイナスドライバーが転がる音はしなかった。

総括
整理すると意外とたいした事なく機能を損なう可能性はない。と結論。
また、転がる音が出ない以上、奇跡的にいずこかで固定されてる可能性が高い。もし、転がってたどり着いた場所が金属部位なら ドライバーのマグネット効果によって恒久的に固定された可能性すらあり、さらなる落下もあり得ない。したがったリアタイヤで 踏んでしまってパンクやバーストする事もないだろう。つまり走行しても直ちに危機的状況になる事はない。

あーだこーだ能書きを考えてる内に配車。

危険が発生する可能性は極めて低いとしても不用意な加減速を控え、あわせてコーナリング速度も抑えて極力Gを抑制し、 さらなる落下とならないよう気をつけよう。と思いつつ配車先へ。

「できたら高速を利用しないパターンが、いーなー。」と思ってると不思議と逆で「多摩センターまで。」 黙々と中央高速へ。

問題なく完了後は一般道で個タク村まで無事帰投しました。 (常時制限速度以下でコーナリングは運転試験場本試験並みの低速ノーG走法を採用。)

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翌日

ドライバーを除去する為に少し早起きして作業開始。

明るい状態でも見えない。

見つかるまで部品を取り外し続けていく事とします。

先ずはエアクリーナー周りから。



続いてバッテリー周り



(バッテリーは外したついでになんとなく充電させました。)

バッテリーの載っかってる底板も外します。



すると。。。ありました。(笑)



画像ではわかりにくいですが、ボディフェンダー部とエンジンミッション部との狭い隙間に入り込んでました。



そして落下時に推察したとおり安定した状態だった。 またドライバーの磁気が金属にくっつきこれまた予想どおり、さらなる安定化に貢献しており予想の的中ぶりにある意味満足しつつ、 ドライバーを回収して一件落着。



あーつかれた。(笑) 
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おまけ






せっかくなんでエンジンルーム内を軽く洗浄し、バッテリーの載っかってる底板や外したパーツ等は全て 洗浄し、コーティングまでして取り付けました。





復元



かなり綺麗になったような。^^



充電したバッテリーも再搭載。



「あー。不注意からの無駄な作業だった。」では終わらせたくないので、翌日予定していた法定3ヶ月点検の 予備検査を実施。

前にも書きましたが、不用意に部品交換をすすめられたくないかの処置。 各部のオイル漏れチェック等とブレーキパッド残量をチェック。 これ以外は見られないし…



ブレーキパッド
一応、タイヤは全て外してタイヤハウス内の全てを洗浄、コーティングは通常どうり。今回はパッドの減りの少なさ加減に驚きました。 つまり仕事をしてないと言う事ですね。収益性に連動して消耗速度も落ちると言う事!
仕事してなくてもブレーキキャリバー関係は洗浄に加えてグリスアップを通常どおり施工。

交換信号の出はじめた空気清浄機のフィルター交換は体力的に割愛。 次回のマット洗浄とのセットにします。

今回のマイナスドライバー
小ぶりな上、グリップ部が滑りやすいのが特徴。
小ぶりなのは予期せぬ職務質問時に凶器と認定されないよう、車載工具はプチサイズを搭載しておりますが、 グリップ部は滑りにくいタイプに替えた方がいーかも。。。。
遥か昔の少年時代。
スーパーとかで指を舐めながらレジ袋を開いたりお札を数えたりする年配の方を見て、「汚なぁー。あーはなりたくない」 とか思ってましたが、最近ではではよく分かる。

手の脂分が抜けると本当によく滑りますね。ペロペロ ^^; 

2011.6.11

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