目的地遥かなり!2 栃木編 |
タクシー家業なんかを営んでおりますと、
「景気はどう?」 との問に今も昔も日々受け答えしておりますが、甘党の私としては決して嫌いでない響き。 ケーキはどう? ですからね。(笑) ちなみにモンブラン派です。 最近は以前に増して、ケーキはどう?と言われるケーキ屋さんが大量に発生してる感がございます。 バブル末期からリーマンショック。そして現在のギリシャ危機までの短い間だけでも相当答えてきておりますが、 ある種の挨拶がわりみたいなものなのでしょう。 景気が良い。悪い。底を脱した。低空飛行。横ばい。など、様々な回答を用意しておりますが、 なんと答えるかは時々のお客様の様子を見ながら「何をお望か?」を瞬時に判断する訳でございます。 「今日の野球はどうだった?」と聞かれ、どの球団のファンなのかを瞬時に分析してお答えするのとにたようなものですね。 どの業界でもそうですが、対価を頂戴 する以上、お相手様には気分よくご利用頂ける事を目的としなくてはなりません。 さて、「どん底」っぽいわが国の景況下でも営業スタイルを柔軟に変形させる事でなんとか乗り切ってる私自身ではありますが、 未知なる挑戦は新鮮でなかなか楽しい。主に勤務時間帯のスライドや仕事のできる人に頭を下げて禁断の方法を 教えて頂く等を主に実施している訳ですが、中でも現在の景況下ですら消費税を納めるようなご同業の人達の話しは聞い てて楽しい。 彼等に言わせると、「暇で仕事ができない。」と言う人は「私は仕事のやり方を知りません」と言ってるに等しいらしい。 耳が痛い感もございますが、実際にお稼ぎになる方々の話は実に説得力があるので、素直に敬聴させて頂いております。 そんな中の10月前半の冷たい雨が降り注いだ日。 勤務時間を前倒しにスライドしているその日も淡々と夕方から出庫を準備。 車庫に行ってスタートしたまでは良かったが、走り始めて5分で右ウィンカーを操作しると、 チッコンチッコンからチコチコチコチコとハイフラッシャー状態に。 いずこかが切れた症状でございますが、日々欠かさない始業点検の時には問題なかっただけに さい先悪いスタートに怯んだもんでした…(-.-;) と、思いつつも「電球なんだからいつかは切れるさー。」と、頭を切り替え対応を考えながら停止。 屋根のは予備を積んでるが、他はどうだったっけ?と、雨の中面倒ではありました が、車から降りと目視した所、予備を積んでない右側テールランプの電球が切れてました。 ガソリンスタンドに行って直そうとも思いましたが、自宅に戻れば予備のテールランプに 電球が付いてたような気が致しましたので自宅に戻る事に… なかったらどうしよう… と、不安一杯で帰宅しましたら、予備のテールランプに付いてました。 まさに「備えあれば憂いなし。」 と言う事でなのでしょう。 サクサク取り付け、再出発致します。 ロスタイムは30分位か…(汗) 1歩進んで2歩戻る。。? ロスタイムの分、エリア登録の順番が後になるが、問題なくたどり着いたタイミングと、今から遅れて登録するタイミングとでは 違う未来なんだろうなぁ〜。と、やや複雑な心境で赤坂エリア着 とは言え「なるようにしかならん派」の私としては些細な事なので雨音をBGMに寝る事にします。 ふと気がつくと赤坂エリア待機9台目表示。 今は21時半だし、深夜割増が適用される22時以後に配車を受けるにはなかなかよい間合いかもしれない。 テールランプバルブ交換は頃合いを調整する為の作業だったのかもしれないなぁ〜。 とか考えつつ再度眠りにつかんとまぶたを閉じた瞬間。 ピーピピピ、と配車 「えー。9台ごぼう抜きの配車かぁ〜。となるとあそこかぁ〜。」と、重い目を開けてみたら、あそことは違った。 予想に反して割増前の配車でしたが、目を開けてモニターを確認するまでは割増前に実車完了を覚悟しただけになんとなく セーフになったような気分に浸りながら何故に9台目で配車になったかが気になったので、モニターをよく見てみた。 すると… ニッサン車指定 と表示されていた。 なるほど… 謎は解けた。 ニ台口なので私はニッサン車ニ台目だったのだろう。 まぁーどーでもいーけどね。 迎車進行開始。 |
行くともう1台は既に先着。
10分程してご乗車頂いたお客様の開口一番。 「遠いーけどヨロシク」 あまりに漠然とした表現で本当に個人差があります。正直言って遠いも近いも関係なく、 我々は分け隔てなくご指定される場所へお送りするんだけど、 辺に考えたりするもんだからそのギャップには苦しめられます。 例えば 「遠いんだけど横浜。 」 「横浜のどの辺りでしょう。」 「日吉まで。」 普通に「日吉まで」と言って頂いた方がスムーズな様な気がします。 なんと「益子の先まで。」 久方ぶりにニッサン車で良かったと思った。マジで。。。(笑) 高野連某有名監督の名前と同じだから、宇都宮付近かな?程度の位置関係はぼんやりイメージできたものの、 進行経路等は全くイメージできなかった。 早押しナビで検索すると東北道経由で北関東自動車道を提案してきた画面をチラ見しつつ、 「経路はいかがしましょうか?」と、 セオリーどうりお聞き致しました所、「常磐道谷和原でおりてください」 との事。 まあ… 谷和原まででも十分なお仕事なんだけど、谷和原で降りて栃木県境まで何キロあるんだ? と、常磐道を下りてからナビが表示される残距離数を見てみると、 約80キロ程だった。 (-.-;) しかし、北関東自動車道経由で行くより30キロ程近くなる。 30キロで約一万円程だから、お客様ご指定のコースが一番現実的なのだろう。 で、谷和原で降りてナビ指定の一般道(国道294号線)を北上開始。 とにかく一本道だった。 「なんか見覚えあるなぁ〜」と、よくよく考えてみると以前ブログで書いた「お米の日」と微かな記憶を辿ると 似たようなコースだったので、暇つぶしに思い出してみたると同じ路線だと気がついた。 国道294号線 お米をプレゼントされたり、カブト虫を捕まえたりしたあの日以来で、 あの日は中館付近までだったが、今回はさらに30キロほと先になる。 となると真っ暗の道をひたすら走るんだなぁ〜。と、漠然と景色をイメージしたとうり、真っ暗の一本道をひた走る。 当時も書いたが、三百六十度の平地で、周辺を光が点在する程度の空間はまさに宇宙空間を進んでるようだった。 叉は瀬戸内海の夜景を彷彿させるアクアラインか…? 運転する身には退屈で仕方がないが、この日は雨が異常に強くなり、増水による冠水部分の出現に警戒しながらの 運転だったのでほどよい緊張感で進行しました。 こんな感じ(道路画像は全て帰路撮影) 信号は殆どなく、どんどん走れてしまいます。 益子駅を過ぎてはこんな旅情感ある道を進む 対向車がきたらやり過ごすのは困難だが、遭遇率は限りなく0だと肌で感じてました。 最終的にはダート路に突入。 大丈夫か…? 色んな意味で… と、ダート路を数キロ進みながら思いつつも遂には現着。 終わらない旅はないのさ。 4諭吉ほど頂戴し、東京に向けて反転開始。 さすがに疲れたので、雨の中、益子駅前で小休止しました。 始めて訪れる駅前ってなんかワクワクします。 節電ではないのだろうけど、照明はほとんどなし。^^; 益子焼とかあるんだぁ〜。と社会科見学しながら15分程休止した。 駅前の益子タクシーさんの当直らしき方が暇そうだった。 で,帰路 最大のテーマはこれからどうするか? アホみたいな遠回りである最寄りの高速インは論外なので、お客様ご推奨のナビの走行軌跡塗りつぶし路線を 採用するのは当然としても、寄り道して佐野ラーメンを食べてから個タク村に帰投するか、急速反転して営業を続行するかを考えた。 基本ニ択 先が長い分、考える時間は沢山あったので、心は揺れに揺れました。 常磐道谷和原入り口でも悩みつつ、最終的には常磐道と外環分岐点で、都心部に戻る事を決断。 あと一回営業し、本日のガソリン代を押さえたいと、欲による決断でした。 (よせばいーのに… ) 配車の可能性があるとは言え、さすがに戻ってからは寝ておりましたが、 そろそろ帰途につかないといけない時間に目が覚めます。 (クロちゃんが待ってるからね) すると、赤坂4台目 い、いけるか? 「あの五台呼ぶ場所が今、呼んで頂ければ問題ないのだが…」 と、思った矢先に五台呼ぶ場所が出た。 が、まさかの三台口 したがいまして「1台目」で残留。 (業界用語で花番) 精魂尽き果て、潔く登録を取り消し敗走しました。 もし、今、「景気はどうですか?」と聞かれたらなんと答えるのだろうか? なんて考えながら… 景気に左右されるのは当然なんだけど、だからと言って諦めるのも努力するのも自由ではあるが、 日々やる事に変わりはない。 景気に影響を与えられる立場でもない私があまり考えても意味がないのだろう。 また、震災以後、お客様からの電話オーダーが激減したが、 だからと言って「景気はどう?」なんて事をお聞きする事はしない。 どう考えても愚問だからだけど、初対面の人間同士にはなかなか良いコミュニケーションフレーズなのかもしれない。 皆様「ケーキはどう?」(笑) おまけ 益子進行翌日 エアコンが効かないので、いつもの場所を見てみたら。 またコンデンサからガス漏れが。。。。蛍光材がしっかりと。。。。ホンマかいな。何枚目だ。。。。 これで修理代が必要となるが、益子進行ではとても回収できない。 正に一進一退の日が続く。。。。。。 ひとりごとに戻る |