タクシーの忙しい日
「夢幻のごとくなり」 |
2009年
早いもので今年も終わろうとしております。 年始からタクシー需要低迷により、苦戦を強いられてはおりましたが、氏神さまのご加護により、 なんとかのりきれそうな気配です。 国家収益を遥かに上回る赤字国債に頼るような未曾有の大不況下にも関わらず、個人タクシー経営が赤字に 陥る事もなく新年を迎えられる事に深く感謝したいと思います。また、来年2010年が皆様方のご発展される年で ありますよう切にお祈り申し上げます。 さて、そんな年末。 12月はそれまでと比較すると金曜日を中心に相応には忙しかったです。 日本人とはどんなに懐が冷え込んでようが、忘年会などの節目の行事をリボ払いでも真面目に消化する民族なのだと 改めて思いました。 タクシーの忙しい日 そんな12月でも毎年のように突出して忙しいのが12月22日。 つまり天長節(てんちょうせつ)の前日でございます。 翌日が祭日なら終電の事も忘れて羽目を外す絶好日となるのかもしれません。 |
そんな2009年12月22日
「今日はいける」と確信の元、日没直後に出庫しました。 いける理由ですが、個タク村近郊から某空港までの予約があったからです。その日の骨子には十分でした。 その後は肉付けをコツコツとやりながら「惰性で行ける所まで行く」と言った単に運任せと言う基本方針を己に言い聞かせ、 ティアナのエンジン起動させます。 起動 消灯を待ってノソノソと発車! 軽く骨太の予約を終らせ、赤坂エリアへ入り無線登録します。意外と待機車が少なく待機順位36台目。 この赤坂エリア かつては配車速度が早いのがメリットでした。 しかし近年とは言うと、不況指数に比例して増々待機時間が伸びております。 それでも時間単価に見合えばなんら問題はないのですが、冷静に解析すると来年からは「撤収もやむ無し」と言った所です。 話を戻し、エリア進入後は予約で疲れたのでテレビを見ながらウトウトしてました。 一回目待機の感想は「思ったよりは流れない」 小一時間経過した所で、やっと7台目。(それでも近年にしては異常に早い) 無線機のモニターで待機状況情報画面で確認しますと、なんと赤坂待機車は20数台しかいません。 普通なら一時間以上も待機してると次から次にとやってきた無線車が私の後ろに加算されて50台位にはなってるはずなのに… 10数台しか後ろにいません。 「なーんだ。いま来れば良かった。アホクサ〜」 と、思っていたら、ピーピピピピと配車。 配車先は六本木某高級ホテル。 進行しながら街のただならぬ様子に気がつきます。 タクシー需要と供給のバランスが適正に保たれてる事に…。 いつも空車タクシーだらけの道路の道端に利用者様が多数いらっしゃいました。迎車進行途上の私は当然スルーするも 適度な間隔を開けて後方からやってくる空車タクシーがご実車頂く感じです。 タクシー新人研修のビデオに出てくるようなワンシーンをルームミラーで拝見しながら、さっきのエリア待機車が少なかった 理由を悟りました。 「各所で利用者が路上でお待ちされてる状況下では無線なんかアホらしくて待ってられなかったんだと…。」 そんな中、ご実車頂いたお客様。 「仙川経由多摩センター」 (-.-;) 多摩センター単体だと中央高速で国立府中下りですから大変楽なお仕事とはなりますが、仙川経由だと首都高速で高井戸どまりです。 その結果、消化時間は3割増し位でしょうか…? やや複雑な思いの中、なんとか空気が美味しい多摩センターに一昨日も来たなと思いつつ着。 料金を決済し、都心部を再度目指します。 甲州街道の旅で疲れたので、迷わず国立府中から中央高速に入りました。国立府中からETC割引でピューンと高井戸まで戻り、甲州街道へ下りて進行する段取りです。 高井戸ー八王子間が同一料金と言うのには何十年も納得できてませんが、中間の国立府中からは比較的利用します。 ちなみに調布からの利用はよっぽどの理由がないとありません。 また、首都高速4号線に乗り継いで戻る事は一般道との時間差等の投資効果を感じられない最近では滅多にありません。 不景気の影響ではありますが、甲州街道が空いてると言う不景気のメリットを生かしてる感じです。 首都高より10数分程度遅れで赤坂再登録 終電が終わる時間帯なだけに例年の天長節イヴには劣るものの結構流れてました。 夢のような瞬速で配車。 それでも30分位だったかな。(苦笑) 進行途中の赤坂外堀通り(溜池方向から山王下信号を眺めてます) いつもは2重タク駐車場ですが、この日は0台。 さらに利用者様が路上に出て待っておられます。信号の先は無数の人陰。 配車先で待つことなく実車のお客様「八王子までお願いします」 「また中央高速かぁ〜。」とは間違っても思う訳なく、「かしこまりましたぁ〜」と元気よく進行開始。 八王子までの道すがら考えたのが、終電タイムでさっきの待ち時間だとなると今日はこれで終わりかな…。 いかんせん100年に一度の大不況下、例年並を期待しても無駄だろう…と… 「まぁ。もう十分だ。東八道路で帰還しよう。」と撤収を決意しつつ、八王子第2インター下りて10分位走った所の目的地着。 料金決済後、反転したがら念のために無線機モニターの待機情報画面を出しました所、 大変驚きます。 リーマンショック以前の東個協に戻ったようで目を疑いましたが、間違いないでしょうから都心部に再々突入を果たすべく、 八王子インターから中央高速に入りました。 さすが天長節イヴだ!と思いつつも、急いで戻ろうとしている自分に気がつき、少し冷静になる必要性を感じたので 石川パーキングエリアに入ったりしてます。 綺麗なイルミネーションを見れてラッキーでした。(笑) 冷静さを取り戻し、慎重に高速移動を再開。 |
あっと言う間に高井戸ですが、今回は甲州街道に下りたりせず、「こんな好機はそうはない」との判断から当然のように
首都高速にそのまま入って霞が関出口を目指しました。
赤坂トンネルを抜けた所で赤坂エリアに入るので、高速上でエリア登録したら20台目。 ↓ 一応、画像右側に時刻画面を添えてみました。 (個タクばかり) 同時刻帯の他のエリア滞留状況 開業当初は毎週金曜日はこうだったのに。。。。うぅ。。。 |
するとワッパさんもお出ましになったので、車を降りてお喋りを少ししてましたら、すぐに5台目になりました。
5台単位で抜かれてるからあの場所が呼んでるのか?との判断からあの場所方面へ近づく事に致しました。(遅いとうるさいから。(笑) 近づき始めて2台目になっと思ったら、ピーピピピピと配車。 あの場所ではなく、みすじ通りのお店からでした。 飲み屋さんだと単価は置いといても待たされる可能性が高い事が気になります。 対してあの場所は待たないだろうけど単価が… なに事も一長一短あると言う事ですが、全て私の都合です。どうなろうがお客様に胸中が一切伝わらないよう最大限の努力をしております。 で、そのみすじ通りの配車 いやー苦労しました。黒だかりの人混みを掻い潜っての進行だったからです。 皆さんタクシーを待ってますが、空車が一台もいないので迎車進行中の私のティアナをなんとか止めようとされるのです。 そして「ダメですか?」の問いに毎回「申し訳ありませんが、ダメです」としか申し上げようがないので心が痛み続けました。 さすが天長節イヴとしか言いようがありませんが、この日はこの時がピークだったかもしれません。 そんなサファリパークのような路地を配車先まで進行したら寒い中、お客様はお店の外で待っておられ、内心ほっとします。 こんな所に止まったまま、乗車希望者を断わり続けてたら、いつか逆切れされる環境でしたからね。(汗) みすじ通りのお客様 カップルでのご利用でした。タクシーを求めて多くの人々が路上をさ迷っている状況下に無線で個タクを呼ぶとは ナイスな演出だと思いましたね。 で、そのカップルさま 「さいたま市までお願いします。」 これは微妙なお仕事です。首都高でピューっと行けますが、いかんせん帰巣本能が働く着点だからです。 さいたま市なら外環の側道を南下すれば個タク村です。通常なら朝の4時を回れば間違いなく帰還するので、4時にさいたま市完了だと 願ったり叶ったり状態となりますが、この日は天長節。あと一回都心に戻るかを悩みながら、大宮バイパスを上り、遂に運命の別れ道である 外環自動車道との交差ポイントに迫りました。 あと15秒以内で決めなければならないところで、無線機モニターで待機情報画面を押して状況を確認したらまだ40分台との事。 断腸の思いで帰還をあきらめ、都心部への再々々突入を決意し、最後に大きな判断ミスを犯してしまいました。 戸田南から首都高に入り、スルスルーっと赤坂着。 90分経過後にどうにかこうにか配車 クロの散歩時間が迫ってたので遠距離は困る感じでしたが、その心配は品川某所と言う結果で払拭されます。 さいたま市からの首都高代とガソリン代。さらに配車までの90分待機中のガソリン代を投入した結果がこれです。さらに15分で消化を 終える行き先にも関わらず、方向違いであったが為にそこから個タク村まで膨大なガソリン消費を余儀なくされました。 あーあ。戻って損した。(苦笑) 最後は収支の面で疑問符がつくものの、1出撃で見ればかなり善戦しました。 私は巷に溢れる各タクシー関連ブログで多く見られる乗務日誌調のネタを基本的に取り扱わないのですが、 恐らくこの日のような無線機モニターの示す待機時間は「今後はないだろう」との判断から希少性を評価してUpしてみました。 後日、こー言う「夢のような事もあったんだぁー」と振り返る為に。。。。。。 「夢幻のごとくなり」 ひとりごとに戻る ↓繁栄極まる夢幻の東京都心部 我が国の泥沼借金地獄の実体を全く感じさせない。 皆様の借金額のご確認は服部誠一オフシャルサイト 借金時計 |